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2015年司法試験合格者 標準既習課程平成26年度修了|池田 翔一|自信を持ってやるべきことをやっていけばいい

2回目の受験で合格されましたが、その時の率直な感想を教えてください。

1回目は、もともと自信がなくて落ちるのではないかと思っていました。予想通りとはいえ、大学院での勉強は頑張っていたのでショックでした。 しかし一方で、足りないところを伸ばすことができれば、いつか受かる試験だということも感じていました。2回目の受験に向けた気持ちの切り替えは、不合格の発表を受けてから2~3週間でできました。
2回目で合格したときは、この1年間は精神的に辛かったのでホッとしたという気持ちが大きかったです。この1年間は、自分の足りない部分を克服するために、苦手なことをやるという作業を繰り返していたのですが、 この作業では、できない自分、ダメな自分に何回も遭遇することになるので、とても辛かったです。親や彼女に迷惑をかけているという気持ちもあるし、働いていないことに対する負い目もありました。 辛い状況から抜け出せたということと、周りの方の支えに応えることができたということで、合格したときはホッとしました。周りのみなさんにとても喜んでいただけたので、頑張って本当に良かったなという気持ちにもなりました。

なぜ法曹への道を目指そうと思われたのですか?

大学入学当初は法曹の道に進もうとは全く思っていませんでした。当初は教師になりたいと思っていたのです。しかし、大学2年生の時に受けた刑法の講義で、 担当して下さった弁護士の先生の刑事裁判の実務に関するお話に感銘し心を動かされました。刑事裁判の被告人は、社会、友達やときには家族さえも離れてしまうような、 ある意味、過酷な環境にいる。弁護士は、被告人に味方をする者がいなくなっても最後までサポートし続ける責任があるというようなお話。そのお話を聴いて、刑事事件の実務にとても魅力を感じたのです。 それから弁護士になりたいと思い、司法試験を受けようと思いました。
大学3年生ぐらいから司法試験に向けて勉強を始めましたが、大学では周りには司法試験を目指す人がいなかったので不安もありましたし、我ながらなかなか勇気のある決断をしたと思っています。 大学のゼミの先生が後押ししてくれたのも大きかったですね。

受験に際し、なぜ本法科大学院を選んだのですか?

写真:黒田 清彰

少人数で教育を受けた方が性格的に合っていると思ったからです。自分は、大人数の中に居ると何となく埋もれてしまうタイプだと感じていました。
少人数制教育に関して、実際に入学して感じたのは、先生との距離が近いということです。先生が学生一人ひとりの顔と名前を覚えて授業をしてくれるので、緊張感を持って勉強に打ち込めましたし、 わからないことを気軽に質問して丁寧に答えてもらえる環境にありました。授業は、それぞれの先生がとても丁寧に行って下さいました。また、実務家教員の方は長年実務に携わっていらっしゃるので、 授業では実務に関するリアルなお話を聴けましたし、手続の流れなどイメージを掴みやすかったです。
それから、本法科大学院の良い点として、合格者との距離も近いことも挙げられると思います。1回目の受験で不合格の発表を受けてから、昨年の合格者のお二人に勉強方法や今後どうやっていけば良いかということなどを相談して、 丁寧にアドバイスをもらうことができました。その時は、論文式試験の答案を再現して、それを合格者の方に見ていただいて合格に足りない部分は何かということを指摘していただくなど、 不合格になった原因を探る作業を手伝ってもらいました。私の場合は、学校の勉強で基本的な法律の知識というのは大きく不足してはいなかったのですが、司法試験では短い制限時間の中で、 自分の法律的な思考過程をわかりやすく適切に表現する力、そういう意味での事務処理能力も求められていて、そこが不足しているということを指摘していただきました。合格者の方のアドバイスを気軽に受けられる環境にあったおかげで、 2回目の受験に向けて実力を伸ばすことができました。
また,本法科大学院は施設が充実しているという点も選んだ理由の一つです。自習室には自分用の学習机が用意されて、24時間利用可能となっていたり、コピーカードが支給されて書籍のコピー代がかからなかったり、 希望した書籍はほとんど学校図書として購入して頂けたりと、学習の環境は非常に充実していたと思います。勉強に集中できる環境でした。

実際にどのような司法試験の対策を行いましたか?

1回目の不合格の発表を受けるまでは、司法試験に合格するためにきちんとした対策をとっていたとは言えなかったと思います。ただ、法科大学院の授業に関しては、自分なりに一生懸命取り組んでいたので、 法律の知識や考え方については大きな不足はないという程度には身についていたのだと思います。その意味で、法科大学院の授業に一所懸命取り組んだことが結果的に司法試験の対策となっていたことは間違いないと思います。
ただ、事務処理能力も求められるのが司法試験で、1回目の不合格を受けてから、自分の弱点である事務処理能力を鍛えるために、事例問題をきちんと自分の文章で表現できるようにする答案練習という作業をかなりの時間を割いて取り組みました。 その作業は、1人でやるだけではなく、勉強会を開いて複数の人ともやりました。周りの在学生や修了生の方と答案を一緒に書いたり、書いた答案を見せ合って指摘し合うということをしていました。 1人で答案を書くとだらけて時間不足に陥ったり、自分の悪いところに気づくのはなかなか難しいのですが、みんなでやれば緊張感をもって答案を書けますし、自分の悪いところも指摘してもらえて、実力を伸ばすことができました。

池田さんの勉強方法や特に力を入れたことを教えてください。

在学中は、法科大学院の授業とその予習に力を入れていました。具体的には、講義の該当部分に関する基本書や判例集などを読み込んで、疑問点や分からない点を頭に入れておいて、 課題や設問については自分で調べて自分なりの解答を用意して講義に臨んでいました。
1度目の受験で不合格となった後は、主に、さきほど挙げた自分に足りないところを埋めるために答案練習を行って、反省点を洗い出して、どうしたら修正できるかという対策を考えて、 次にその対策を実行しながら答案練習をする、という作業を繰り返ししていました。

・授業で特に役立ったこと
司法試験に合格するために必要な法律知識が身についたことだと思います。また、法律学に関するものの考え方のエッセンスが身につけられたことだと思います。 法律学における思考過程や結論の相場観というものは、誰もが納得できるとは限らない独特なものがあると思うのですが、専門家である先生方の講義を聴いて、これらを徐々に掴むことができたように思います。

・大学院を通して一番学べたこと・身につけられたこと
法律の勉強面とそれ以外の面とがあります。法律の勉強面では、大学院の授業を通して、基本的な法律に関する知識をかなり身につけることができたと思います。 それ以外の面として、不合格の後に自分を見つめ直す作業を経て、精神的にも強くなったと思いますし、適切な努力の仕方を身につけられたのではないかと思っています。

・合格の決め手・合格に必要なこと
合格の決め手は、不合格後に読んだ合格体験記や、合格ノウハウ本を読んだときに、合格者の共通点を探ったことだと思います。多くの合格者が、 「試験で求められている力は何なのかを具体的に分析して、それに対して自分の足りない能力は何なのかということを客観的に分析して、足りない力を効率よく埋めるためにはどうすれば良いのかを考え、 それを実行する」という共通の思考をしていたことに気付けたことが大きかったです。このことに気付けたことで、比較的短期間のうちに態勢を立て直せたのだと思います。

将来はどんな法曹・法律家を目指したいですか?

法曹三者のうち、どの職業に就きたいかということについては、悩み中です。司法試験を目指したきっかけを与えて下さった先生のような弁護士になれたら、との思いもありますし、 他方で、裁判官、検察官という職業にも魅力を感じます。これから1年間にわたる司法修習という実務研修でいずれの職業にも関わることができるので、これを受けながら決めていこうと考えています。
しかし、どの道に進むにしても、困っている人の気持ちを理解して、共に悩みながら最善の解決方法を考えられる法律家になりたいです。 また、どの立場であったとしても、きっかけを与えて下さった先生のように法律家として刑事事件と関わりを持ち続けたいと思っています。それから、教育分野にも興味を持っているので、 法律家として教育に携わることができれば、とも思っています。

これから司法試験を目指す人へメッセージをお願いします。

・勉強法や合格するためのアドバイス
まずは、在学中に大学院の勉強に一所懸命に取り組むことが大切だと思います。また、大学院の勉強だけでもかなり大変だと思いますが、早く司法試験に受かるという観点からは、 試験を見据えて自分の弱点も分析して、自分なりの対策を立てることをぜひともやってほしいと思います。 繰り返しになりますが、私の場合は、不合格後に合格体験記や合格ノウハウ本を読み込んで、幸いこのことに気づくことができました。 そして、自分の弱点を分析し克服する作業というのはとても苦しいことですが、合格するためにはぜひとも必要な作業だと痛感しました。経験上、弱点は自分だけではなかなか気づかないことも多いですし、 1人で勉強していると、やるべきことではなくやりたいことをして楽な勉強に流れがちです。そんなときは、周りとゼミを組んで勉強するのも良いと思います。私は決して頭や要領が良いわけではないですが、 そんな自分でも合格できたということは、司法試験が、私が行ったように、大学院の勉強+弱点に向きあうという作業を綿密に行うことで合格する可能性が十分にあるものであることを示していると思います。 やるべきことは何かを分析した上で、自信を持ってそれをやっていけば良いと思います。

・応援のメッセージ
私が知っている法律家の方は、みなさんとてもやりがいを感じながらお仕事をされているように思います。昨今、司法制度に関してはいろいろなネガティブなことが言われていますが、 法律家は今でも十分に魅力的な職業なのではないかと、周囲を見て感じます。これから司法試験を目指される方は、確かに漫然と目指すのはダメですが、明確な目的がある限り、 過度におそれる必要はないのではないかと思います。
ただ、目指した以上は、絶対に合格してやるという強い気持ちと実行力が必要だと思います。学校の勉強だけでも大変だと思いますが、司法試験は漫然と勉強していて簡単に合格できる試験ではありませんし、 1度でも司法試験に落ちると、とても辛いです。ですので、日々の勉強を司法試験に合格するためにやっているものと考えて、しっかり目的意識を持って必死に頑張って欲しいです。
最後に、私は周りの方にたくさん支えていただいて合格できたと思うので、みなさんに感謝したいです。